2012年3月19日月曜日

2.自動停止する原子炉隔離時冷却系

資料は
です。

中間報告は3号機の動向へと進みます。

原子炉隔離時冷却系は電源がなくとも、圧力容器を冷やす切り札と宣伝されていたものです。






正常に動作していれば、メルトダウンなど起こらなかったはずですが・・・
2,3号機の原子炉隔離時冷却系は動いても自動停止してしまいました。
日本の他の原子炉の原子炉隔離時冷却系も同じだとおもいます。
ストレステストなど意味がありません。


P82
3/4 号中央制御室の動向
3 11 14 47 分頃、当直は、3 号機原子炉が自動スクラムしたことを確認し、主タービンを手動で停止した。

 3 11 14 48 分頃、3 号機及び4 号機について、地震の影響で外部電源を喪失したため、主蒸気隔離弁が自動的に全閉となった。

どうも外部電源喪失で主蒸気隔離弁が全閉になる関係が判らない。?

3 号機及び4 号機の非常用発電機DG が正常に自動起動し、高圧配電盤の非常用母線の電源を確認。


こうした記述は1、2号機ではありませんでした。

同日15 5 分頃、3 号機の原子炉隔離時冷却系RCIC を手動起動
同日15 25 分頃、原子炉水位が高くなり自動停止。

何故、手動起動したのか?何故、自動停止したのか?
・・・イイカゲンな報告書です。
やはり、自動停止は設計ミスか調整ミスです。

おそらく自動停止理由は
逃がし安全弁が開いて、圧力が圧力容器で下がり、格納容器は上がります。
反動で圧力調整室S/C(格納容器下部のドーナツ状の環)の水が圧力容器に流れ込んだのです。

ところで、原子炉隔離時冷却系には問題点があります。
3号機ではプルトニュウムを使いますから、圧力容器にプルトニュウムが漏れだす可能性がある訳です。
そうでなくても、圧力容器の中の水は放射能で汚染されています。
原子炉隔離時冷却系RCICを使うと格納容器と圧力容器の水は混ぜこぜになります。
混ぜこぜになった高放射能汚染水は少なくとも水蒸気=ガスになります。おそらくある圧力になると、廃棄筒をとおって大気中に捨てられることになります。
要するに、連続ウェットベントしているようなものです。
原子炉の外へ、プルトニュウムから漏れる可能性があるわけです。
これは、逃がし安全弁が動作しても同じです。
今回、3号機はメルトダウンしていますし、ベントもしている。
逃がし安全弁が動作しなかったとは考えられない。


廃棄筒へ繋がるベントラインのパイプは外れていましたから、
高濃度のプルトニュウムが34号機の廃棄筒を中心として漏れていると考えられます。
(政府も、経済産業省も、東電も、マスコミ(?)も、「だんまり」を決め込んでいるようですが・・)

中間報告に戻ります。
P83
3 号機の原子炉圧力が高くなり、逃がし安全弁SRが自動的に開き、圧力抑制室S/C に蒸気が吹き出して、圧力抑制室S/C の水温が上昇した。

当直は津波の引き波により、ポンプが空回りして故障するおそれがあった。
ので、1/2 号中央制御室と異なり、ポンプを起動させずに様子を見ることにした。

2号機と判断が分かれました。訓練不足、マニュアル無しor無視だと思います。

さて中間報告は1号機の非常用復水器ICの配管へ進みますが、配管の破断が問題になっているのはこの配管だけではないと思います。

3)地震発生直後の非常用復水器IC 配管の破断可能性
P8490にありますが内容は

f 小括
以上からすると、ICA 系、B 系)については、地震発生直後、原子炉格納容
器内外を問わず、IC の機能を損なうような重要な配管破断が生じたことをうかがわせる形跡は何も見当たらず20、むしろ、かかる配管破断はなかったと考えるのが合理的であると思われる。
事故に関係するような配管の破断とは関係なさそうな非常用復水器の「配管は破断していなかったようだ」と言っているだけです。

ここで2点ほど気になる記述があります。
フェイルセーフ機能とディーゼル駆動消火ポンプ(D/DFP)です。

1.フェイルセーフ機能

非常用復水器ICS配管には、管の圧力差から配管破断を検出する「破断検出回路」が設けられている。

破断検出回路が配管破断を検出すると、
破断検出回路のスイッチが切れて電気が流れない状態になる
一方で、各隔離弁を閉とするための「弁駆動(閉)用制御回路」にスイッチが切り替わって電気が流れるようになり、さらに、各隔離弁の閉駆動用モーターに電流が流れることにより、開状態となっている隔離弁が全て閉となる仕組みになっている。

要するに配管が破断すると、直流電源で隔離弁が全て閉になるように作ってあると言うことです。
これは次回以降の報告で問題にするつもりです。

物語などでよく使われる伏線とか言うやつだと思います。

フェイルセーフ機能の解説に
P86
このような仕組みである以上、そもそもL 字型配管の外側と内側の蒸気差圧が高いことを認識した場合(=際に管が破断した場合も)も、破断検出回路を流れる電流(=直流電源)が失われた場合も、いずれも破断検出回路に直流電流が流れなくなる点では同じであり、弁駆動(閉)用制御回路が作動し、隔離弁が閉動作することになる。

おかしな解説です。
隔離弁を動かすのは直流電源です。破断検出回路を流れる電流だけが失わればこのとおりですが、全電源を失ったら隔離弁を動かす電源は無いわけです。隔離弁が閉動作しません。

2.ディーゼル駆動消火ポンプ(D/DFP
P89
津波到達後の当直の行動を見ると、1 号機R/B 内に立ち入り、ディーゼル駆動消火ポンプD/DFP)の起動確認や消火系(FP 系)ライン構成のための弁操作その他の必要な作業に従事している事実が認められる。

ディーゼル駆動消火ポンプ(D/DFP)は非常用復水器に水を供給するために使われました。

1号機の非常用復水器は水を供給しないと8時間程度で蒸発して無くなってしまいます。
そこで、ポンプで水を供給していたのですが、電源をどうしていたのか不思議だったのです。
消火ポンプ(D/DFP)はディーゼル駆動で、電気で動くポンプではなかったのですね。
これから先、ブログで報告する予定ですが、このあと非常用復水器は止まり、かなり時間が経ってから(?)再起動します。
しかし、せっかく動いた非常用復水器は、たしか、ポンプが故障して水が供給できなくなり隔離弁を閉にしました。(閉にできたのだから開にもできたと思います。おそらく手動です。)
しかし、こんなものは非常用復水器に水を溜めるものですから、特殊な高圧ポンプではありません。
要請すればヘリで届き、復水器を再稼働できたと思います。
ポンプの故障ではなく燃料切れで、水の供給がとまり、非常用復水器を壊したのだと思います。
ポンプの故障で以後非常用復水器を動かさないのは整合性のない(不)行為です。

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