2012年9月21日金曜日

再処理工場について


原発の燃料は廃棄核兵器だと思います。
Wikipediaのプルトニュウムの解説を読んでいると、こんな解説がありました。

Wikipedia 引用開始

余剰兵器の解体で発生するプトニュウム

リンク

余剰の兵器級プルトニウムを処分する1つの提案はそれを高レベルの放射性同位体(例えば使用済み原子炉燃料)と混合することである。こうして潜在的な盗取、あるいはテロリストによる取り扱いを防止する。別の手段としては、ウランとそれを混合し原子炉用燃料(混合酸化物すなわちMOXアプローチ)として消費することである。これは239Pu の多くを核分裂により破壊するだけでなく、残りのかなりの部分を核兵器としては役立たない 240Pu およびより重い同位体に変化させることができる[27]

Wikipedia 引用終わり

提案ではなく実際に行われていると思います。
例えば、ソ連が解体してロシアになって幾つかの国が独立しました。
その時、核兵器を持ったままだったようで、原発がないことになっているのに核燃料を輸出している国があります。
原発関連のニュースで輸出しているのを知って、核兵器を残したままだったのかと思い印象に残っています。
日本の政治家やバカ役人が廃棄核兵器をどのように処理しているのか興味をもたなかったのは信じられないことです。
 日本が、核兵器の「処理のしかた」=「扱い方」を知らずに持つことがいかに危険かは明らかです。
 武器の扱い方を知らずに武器をもつことになるからです。
 実際に扱い方をしらずに使って、3.11の事故が起きたのだと思います。
 核兵器を持て持つなと言っているのではありませんが、そうした意味からも日本は核兵器を持つ資格はありません。
 日本には沢山のプルトニュウムがあるから、「いざとなったら原爆作れる潜在的な核爆弾保有国なのだ」と錯覚している政治家等の人がいるかもしれません。
 しかし、Wikipediaの解説を追っていくと日本の「潜在的核兵器保有国論」は幻想に思えてきました。
原爆と原発は切り離して考えることはできませんのでアレルギーのある方はあらかじめ承知を願いします。

1.原爆の材料
原爆の材料としてよく知られるのがウランとプルトニュウムです。
しかし、ウランやプルトニュウムには原爆の材料になるものとならないものがあります。
Widipekiaの解説のとおり原爆の材料にならない(=原発の材料にもならないと考えておきます)プルトニュウム240がいくら溜まっても「潜在的核兵器保有国」にはなれないのです。

ここで話題にするのは
ウラン235ウラン238及び239
プルトニュウム239プルトニュウム240

11ウラン
 ウランにはおおまかにウラン2350.7%)とウラン23899.3%)があります。
 他のウランはほとんどないことになりますので、使い物になりません。
 原爆の材料になるのがウラン235です。原発でもやすのも主はウラン235です。
 ウラン235は原子炉のなかで中性子がぶつかって核分裂します。
 その時に巨大なエネルギーと中性子をだし連鎖反応てきに巨大なエネルギーを出し続けます。
 また、ウラン238は中性子を吸収しウラン239となり、さらにプルトニュウム239となります。
  
12プルトニュウム
 原発でできたプルトニュウム239も原発のなかでウラン235同様に核分裂してエネルギーをだします。
 しかし、分裂だけでなく中性子を吸収しプルトニュウム240にもなります。
 プルトニュウム240は不安定で再処理で集めても濃度を上げると勝手に臨界するそうです。
 なお、
核兵器用としては、燃料中のプルトニウム240の割合はできるだけ小さく、通常は全プルトニウムの7%以下に抑える必要がある。」
また、
「民生用の原子炉では、燃料は70%のプルトニウム23920%のプルトニウム240と残りはその他の同位体からなり、核兵器製造は技術的には不可能ではないが、非常に困難である。」
とありました。
ウランをゆっくり燃やし、プルトニュウム240を7%以下にうまく調整して、原爆の材料ができるわけです。
後でプルトニュウム240を取り除くなんて事実上できないと思います。



13日本のプルトニュウムで核兵器が作れない理由
Puの話の前にUから説明したいとおもいます。
ウランウラン2350.7%)とウラン23899.3%)が混ぜこぜになって存在しているわけでウラン235
ウラン235濃度を高めないとけないわけです。

不思議ですがネットで調べても、原発燃料の濃度が何%なのかわりませんでした。
ベントをいくら検索してもわからなかったのと同様のだと思います。知られたくなのですね。

ウラン235の濃度が20%を超える場合「高濃縮ウラン」で原爆ができる濃度です。
勿論、ウラン235とウラン238は化学的に性質が同じですから科学反応を利用した分離はできません。
遠心分離法など質量の違いを利用して分離します。
どのみち六フッ化ウランとして、純粋に取り出した後で分離させるわけで随分お金がかかりそうです。
多分、ここまでくると濃度を10%にするのも30%にするのもたいして変わらないとおもいます。

YAHOO!知恵袋に面白い質問がありました。
のベストアンサーによるとウランを分離する前で、すでに10019万円だそうです。

近藤邦明先生の
の数字をお借りしますと
原発を100kW50基と仮定すると、年間に必要なウラン燃料は30t×501,500tとすると分離する前でも
1500×1000×1000g÷100g×19万=28500
となりました。
こんな高価なもので原発の燃料など作ろうとするでしょうか?
比べるのも失礼なのですが、先生やベストアンサーのほうが東電や原子力安全保安院よりずっと確からしいと思います。
また、こうした高価な原材料の需要があるのでこうした値段になるのだと考えられます。
こうしたことから現在も最新鋭の核兵器は作られ続けているのだと思われます。

ここで、疑問がでてきます。

何故、廃棄核兵器はリサイクルされないのか?
単に経済原理が働き、原材料から作ったほうが安全で安上がりなのだと思います。
ここで、原発燃料の濃度が何%なのかわからない、教えたくない理由が邪推できます。
再処理工場と結び付くように思います。
再処理して、ウランやプルトニュウムを取り出しても経済的に全く引き合わないのです。
・・・
私は、再処理工場は必要だと思っています。
今ある、ウランやプルトニュウムを燃やすためです。
しかし、再処理技術を持つことは潜在的或いは実質上の核兵器保有国になることを意味します
再処理技術は、燃え残った、あるは未使用の核燃料のウラン235の濃縮技術を持つことになり核兵器製造技術を持つことを意味するのです。
アメリカは許さないでしょう、日本はイラン以上の存在になります。
こう考えると、野党はとてものんきに思えます。

2再処理工場
再処理工場についてWikipediaの解説に
再処理工場(さいしょりこうじょう)とは、原子炉から出た使用済み核燃料の中から使用可能なウランプルトニウムを取り出す施設である。」
とあります。
アメリカは、再処理などせずに埋め立てることを勧めています。
再処理をするとウランやプルトニュウムを取り出し核兵器を持つ可能性があるからです。

有馬哲夫先生の「原発と原爆」文春新書によると
日本初の原発はイギリス製のコルダーホール型の原発だったそうです。
この原発は非常に発電コストが安いとのことです。
少し引用させていただきますと先生はイギリスに視察に言った人の報告書について触れ
P88
報告書の著者は、コルダーホール型原発を、「プルトニュウム生産を目的とし」、「同時に電力もあわせて発生する」原発ととらえていた。
そうです。
驚いたことにと言うか、信じられなかったのですがイギリスは作られるプルトニュウムには興味がなく、それを売れば安く済むみたいなことが書いてありました。
この原発の燃料はアメリカ制ではなく、イランのように直接ウランから加工されます。
また、本書からインドもカナダからウランを輸入して原爆を作ったことが分かります。
現在はウランの輸入はなさそうです。
ウランからでないと適当な割合でプルトニュウム239プルトニュウム240作るのが難しいのだと思います。

どうやって、
核兵器用としては、燃料中のプルトニウム240の割合はできるだけ小さく、通常は全プルトニウムの7%以下に抑た」
プルトニュウムを作るのか知りませんがそうしたものができるのだと思います。
再処理技術はこうしたプルトニュウム製造技術から生まれたのだと思います。
MOX燃料にプルトニュウム240が使われていたら原爆用のプルトニュウムなど永久にできないのだと思います。
ウラン235ウラン238は3つ原子番号の違いがありプルトニュウムの1つより違いが大きくまだ分離しやすいのです。
しかし、自前でウランを分離する前でも10019万円なんて値段で作れないでしょう。
しかし、そこから肝心なことが始まるわけです。
私には、使用済み核燃料の再処理など「ウソ」にしか思えません。
アメリカもそう思っていることでしょう。
経済的に見合わないので、イラン同様に核兵器を作ろうとしているのを見透かされているのです。
廃棄核兵器の廃棄処理をして当然なのかもしれません。
再処理など、いくらネットで調べてもわからないはずです。

3高速増殖炉
高速増殖炉Wikipediaでみてもやはりわかりにくいですが、
増殖をみるとなんとなくイメージが浮かびます。
こんなふうに解説されています。
通常、軽水炉では燃料棒中のウラン235熱中性子により核分裂させ、エネルギーを生成する。このとき消費したウラン235以上にプルトニウムが生成されることはなく、燃料棒中の核燃料は減少する。これは、熱中性子は高速中性子よりもウラン235やプルトニウムの核分裂を誘起しやすいが、燃料棒中のウラン238捕獲さ れてプルトニウム239を生成する確率が低いためである。逆に高速中性子はウラン235やプルトニウムの核分裂を誘起しにくいが、ウラン238に捕獲されてプルトニウム239を生成する確率が高い。この性質を利用して、消費した燃料以上のプルトニウムを生成するように設計されたものが高速増殖炉である。
ここでは触れていませんが、プルトニュウム239から当然しプルトニュウム240もできるでしょう。しかし、プルトニュウム240が増えると製品である原爆が暴発することがあり、7~10%を超えないように作ります。燃え盛る原子炉のなかでプルトニュウム240を取り出すどころか、プルトニュウム239プルトニュウム240を選別することさえできないでしょう。
プルトニュウムを作っている最中にプルトニュウム240が増えて暴走するのは必至です。

プルトニュウム239プルトニュウム240がどうしても一緒にできるのは素人の私にもわかります、だから、再処理技術がセットになっているのでしょう。プルトニュウム240を取り除きたいのだと思います。

そして、アメリカが軽蔑の笑いを浮かべているのが想像できます。
日米安保を言う政治家は高速増殖炉で実は日米安保を壊そうとしていると言ってよいかもしれません。
それでも、高速増殖炉の研究を許すのは原理的にできないことを知っているからです。
高速増殖炉が事故を起こしても、アメリカは「ともだち作戦」と言う軍事作戦で助けてくれることはないでしょう。
原発の安全性=自国の利益とは全く関係がないからです。
そう思います。

しかし、廃棄核兵器をばら撒くのは全く、マインドを無くした戦略です。
もともと、戦略などにはマインドなどないのでしょう。
大きな総括的な危機意識に基づく戦略があって、その一環なのだと思います。